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Writer's picture佐々百合子

障害児者家庭教師事業(仮称) Aさんの場合

今年の6月頃にゆる~く募集した、障害児者支援事業:「ささえる」活動の一環として、重度障害者のためのスイッチ・視線入力等を活用したコミュニケーション支援訪問【障害児者家庭教師事業(仮称)】を継続実施しております。


この活動は、元支援学校教諭の藤山健二氏とNAOのたまごとの協力関係のもと、ボランティアとしてトライアル運転して参りました。

現在、今後どういう形で継続していくかについては検討の段階に入っておりますので、ここまでの活動の経過報告をいたします。

Aさんが視線入力する様子を初めて拝見したのは、島根大学の伊藤先生が訪問してくださった2018年6月20日の事。この時は、座った状態で視線入力しようとすると姿勢が安定せず、寝かせて実施してみました。 お父さんお母さんがとても意欲のあるご家庭で、一通りの機器をそろえてくださったのですが、なかなか難しそうだなというのが正直な印象でした。






しかし、この時の伊藤先生の訪問の効果は大きく、見て頂いて、ほめてくださったおかげでAさんのやる気が上がりました。ご家族の皆さんで視線入力に取り組み始めたところ、パソコンの固定と姿勢調整をして1週間後に良いポジションが見つかり、座位保持椅子に座ってできるようになりました。

そして、2018年6月27日以降、週末に行うことができる日は、Eye MoT3Dと2Dを実施し続けていたそうです。

2018年8月13日、パソコンよりもiPadの方が使いやすいのではないかということで、えこみゅ、ドロップトークを用いたコミュニケーションの練習もスタートしておりました。


そんなAさんをトライアル運転として最初に訪問したのは、2019年8月3日。その後月に2回のペースで訪問してきました。

EyeMoTで提供されている射的の枚数を4枚に減らし、家族の写真を使って行うと、他の絵よりも圧倒的に終了までの時間が短く、家族の写真に興味があることが分かりました。

現在は、藤山氏が作成した自作ソフトを用いて、2つのうちから自分の再生したい方の動画を再生したり、もう一回やるか、終わりにするかを選択する練習をしています。

また、日常の生活の中に組み込んで、VOCAスイッチや DropTalkを使用しての意思表示を行っています。

今までの支援を通じて、視線を使って動画を再生する、スイッチを押して意思表示するという求められている課題の意味や操作を理解していることがわかりますし、その様子を見た第三者にも理解してもらえる状況まで到達しています。

障害があるかどうかに関係なく、コミュニケーション能力は生きていく上でとても大切な力です。それは、周りにいる人の関わり方次第で大きく異なってきます。

家族以外の人との関係の中で、自分の意思を表出して相手に理解してもらうこと、それによりコミュニケーションの楽しさを感じ、将来的により質の高い生活をしていける様に、状況を見極めながらかかわりを継続していけたらと願っています。

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